numの野球・サッカーのルール解説

野球やサッカーの観戦をしていて、ルールが分からず「今のはなんでこういう判定なの?」と疑問に思うようなプレーに、競技規則から判定の理由についてアプローチします。

クラブワールドカップで適用の、サッカー競技規則2025/26改正ルールを確認しよう

今日から始まったFIFA クラブワールドカップ2025では、サッカー競技規則2025/26が適用されます。既に発表されている内容ですが、実際に試合で適用されているのを見ると改めて気づくこともあるかと思います。

今回は、開幕戦であるアルアハリvsインテル・マイアミ戦で実際に見られた場面を確認しながら、改正ルールについておさらいしたいと思います。

ゴールキーパーの「8秒ルール」

サッカー競技規則第12条に「12.3 コーナーキック」の項目が設けられ、12.2 間接フリーキックにあった記述の一部を移動・修正する形で記載されました。

IFAB Law of the Game - Law 12 Fouls and Misconduct

12.3 Corner kick

A corner kick is awarded if a goalkeeper, inside their penalty area, controls the ball with their hand(s)/arm(s) for more than eight seconds before releasing it.

A goalkeeper is considered to be in control of the ball with their hand(s)/arm(s) when:

  • the ball is between their hands/arms or between their hand(s)/arm(s) and any surface (e.g. ground, own body)
  • holding the ball in their outstretched open hand(s)
  • bouncing it on the ground or throwing it in the air

The referee will decide when the goalkeeper has control of the ball and the eight seconds begin and will visually count down the last five seconds with a raised hand.

A goalkeeper cannot be challenged by an opponent when in control of the ball with their hand(s)/arm(s).

《拙訳》12.3 コーナーキック

ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、ボールを放すまでに、手や腕で8秒を超えてコントロールした場合、コーナーキックが与えられる。

ゴールキーパーがボールを手でコントロールしていると判断されるのは、次のときである。

  • ボールがゴールキーパーの両手で持たれているとき、またはボールがゴールキーパーの手と他のもの(例えば、グラウンド、自分の体)との間にあるとき、ボールに手や腕のいずれかの部分で触れているとき。
  • ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき。
  • ボールをグラウンドにバウンドさせる、または空中に投げ上げた。

主審は、ゴールキーパーがボールをコントロールして8秒のカウントダウンを開始するタイミングを判断し、最後の5秒を手のひらを上げて視覚的にカウントダウンする。

ゴールキーパーが手でボールをコントロールしているとき、相手競技者は、ゴールキーパーにチャレンジすることができない。

アルアハリvsインテル・マイアミ戦の87:07に、主審が手を上げて5秒間のカウントダウンを始めた瞬間を確認することができます。

そして、そこからちょうど5秒経ったところで、ゴールキーパーがボールから手を離し、ピッチに転がしました。

ボールから手を離して足元でコントロールする分にはカウントダウンの対象とはなりませんから、今後ゴールキーパーは、主審のカウントダウンに対してこのような対応の仕方をするようになるのでしょう。

ドロップボール

これまでは、最後にボールに触れたチームへのドロップボールで再開となっていますが、もしプレーを止めなかった場合にどちらのチームがボールを保持していたかが主審から明白な場合は、そちらチームへのドロップボールで再開することとなりました(ただし、ペナルティーエリア内ではGKへのドロップボールとする)。また、どちらのチームが保持かが明白でない場合は、最後に触れたチームへのドロップボールで再開となります。

IFAB Law of the Game - Law 8 The Start and Restart of Play

8.2 Dropped ball

Procedure

  • If, when play was stopped:
    • the ball was inside the penalty area, the referee drops it for the defending team goalkeeper in their penalty area
    • the ball was outside the penalty area, the referee drops it for one player of the team that has or would have gained possession if this can be determined by the referee; otherwise, it is dropped for one player of the team that last touched it. The ball is dropped at its position when play was stopped
  • All other players (of both teams) must remain at least 4 m (4.5 yds) from the ball until it is in play

The ball is in play when it touches the ground.

《拙訳》進め方

  • 次の状況でプレーが停止されたとき、
    • ボールがペナルティーエリア内にあった場合、主審は、ボールをペナルティーエリア内で守備側チームのゴールキーパーにドロップする。
    • ボールがペナルティーエリア外にあった場合、主審は、ボールを保持していたか、または保持するはずだったチームを判断できるならば、そのチームの競技者の1人にボールをドロップする。そうでない場合は、最後にボールに触れたチームの競技者の1人にボールをドロップする。ボールはプレーが停止した位置でドロップされる。
  • (両チームの)他のすべての競技者は、ボールがインプレーになるまで少なくとも4m(4.5ヤード)ボールから離れていなければならない。

アルアハリvsインテル・マイアミ戦の34:40に、メッシが接触により倒れるシーンがありました。主審はこれをノーファウルとし、プレーを流しました。

その後、メッシが立ち上がれないため、主審は笛を吹いてプレーを一時止めました。厳密にいうと、主審が笛を吹いた瞬間、ボールは空中にありました。アルアハリの選手はまだボールに触れていません。

これまでのルールなら、最後にボールに触れたのはマイアミのゴールキーパーなので、ドロップボールの対象となるのは、マイアミの選手となってしまいます。しかし、この状況は明らかにアルアハリの選手がボールをコントロールできる状況です。

というわけで、アルアハリの選手にボールがドロップされて試合再開となりました。

VAR実施試合のPKにおける副審の位置

通常、PKの際には副審はゴールライン上に位置しますが、VARがいる試合では、ゴールに入ったかやGKの飛び出しはVARが確認できるため、オフサイドラインとなるペナルティーマークの延長線上に位置することとなりました。

主審の目線カメラ

FIFAが審判員の目線カメラ使用を進めていく方針を示し、IFABもこれを支持しており、クラブワールドカップでは審判員の目線カメラが中継映像に使用されます。

監督等がボールが外に出たと勘違いして触れてしまった場合

監督やチームスタッフ、控え選手などがピッチから出ようとしているボールに触れた場合、それが不当に影響を与えようとする意図がないならば、カードの対象とはせず、間接FKで再開することとなりました。初戦では、該当場面はありませんでした。

まとめ

今回は、サッカー競技規則2025/26改正ルールを5点確認しました。

サッカーのルールは毎年少しずつ変わっていっているので、ぜひこういう機会にルールについての理解をアップデートしていくと良いと思います。ルールを知れば、サッカーがより楽しくなりますよ。クラブワールドカップの観戦のお役に立てば幸いです。